脂漏性皮膚炎の治療と薬の基礎知識

脂漏性皮膚炎とは?

脂漏性皮膚炎は、「マラセチア真菌」と呼ばれるカビの一種が皮脂を栄養源に増殖し、肌に悪影響を与えることで発症する皮膚疾患です。これにより、皮膚の炎症やかゆみ、湿疹が引き起こされます。

ストレスや生活習慣の乱れも症状に影響を与えることが知られています。

医学博士のコメント:脂漏性皮膚炎は単なる皮膚のトラブルではなく、生活習慣や体質とも関係が深い疾患です。正しいケアをすることで、症状をコントロールしやすくなります。

皮膚科で処方される主な薬

◾️ 抗真菌薬(マラセチアの増殖を抑える)

◾️ ニゾラール(ケトコナゾール)

マラセチア真菌に対して強い抗真菌作用を持つ薬です。角質層への浸透性と親和性が高く、効果が持続しやすいのが特徴です。

  • 使用方法:フケや湿疹がある部分に1日1〜2回塗布
  • ローション・クリームタイプがあり、部位によって使い分けます。

副作用のリスクが低いため、医師の指示に従い継続的に使用することが重要です。

医学博士のコメント:脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチアに対処するには、抗真菌薬の適切な使用が欠かせません。自己判断で中断せず、医師の指示に従って使い続けることが大切です。

◾️ ステロイド外用薬(炎症を抑える)

皮膚の炎症を鎮めるために使用される薬です。アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎など、多くの皮膚疾患で処方されます。

作用の強さ

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016より抜粋 及び一部改変

ステロイド外用薬は、作用の強さに応じて5段階に分類されます。

⚫︎ Strongest(最も強力) → 主に頭皮などに使用

⚫︎ Very strong・Strong(強い) → 体の部位に応じて選択

⚫︎ Medium(中程度) → 顔などに適用

⚫︎ Weak(弱い) → 乳幼児や皮膚の薄い部位に処方

セルフケアで症状を和らげる方法

ビタミンB群の摂取

脂漏性皮膚炎の改善には、「ビタミンB2」「ビタミンB6」の摂取が重要です。

医学博士のコメント:ビタミンB群は皮脂の調整に役立つ栄養素です。日々の食生活に意識的に取り入れることをおすすめします。

適切なシャンプーの選び方

脂漏性皮膚炎の方は、一般的な人よりも肌が敏感なため、低刺激のアミノ酸系シャンプーを選ぶのがおすすめです。(ReBALANシャンプーなど)

医学博士のコメント:適切なシャンプーを選び、継続することで症状の緩和につながります。肌に合った優しいものを選びましょう。

まとめ

脂漏性皮膚炎の治療では、適切な薬の使用+セルフケアの両立が大切です。

  • 医師の指示に従い、正しく薬を使う
  • 低刺激のシャンプーを選ぶ
  • ビタミンB群を意識的に摂取する

医学博士のコメント:脂漏性皮膚炎は慢性的になりやすいですが、適切な治療とセルフケアを続ければ、症状をコントロールすることが可能です。焦らず、地道にケアを続けていきましょう。